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「V PRESS」

　魂の一撃だった。明治安田J2リーグ第27節・千葉戦の38分のこと。0-0で迎えたこの時間帯に、仙台陣内でMF10鎌田大夢が相手の横パスをカット。前方のFW59小林心にボールが渡ったとき、鎌田と中盤の底でコンビを組んでいたMF8武田英寿は、一気に相手陣地へ走り出した。「大夢がボールを奪ったときに『カウンターにいけるな』と思った」と素早く判断。FW47荒木駿太が右サイドからクロスを上げたときには、武田はもうゴール間近まで走りこんでいた。高校時代以来のヘディングシュートを、高校時代に鍛えた走力を発揮した後に叩きこむ。これが決勝点になった。地元仙台出身の武田にとって待望の、自身ユアスタ初ゴールでもあった。

　左足で多種多様なパスを繰り出し、ときには直接ゴールを狙う。パサーとしての活躍が目覚ましい武田だが、それに加えこの場面のように長い距離を走ったり、「目の前の相手に負けないこと」と中盤での競り合いで相手を食い止めたり、攻守で存在感を増している。勝負を決める存在として、今日も活躍を期待したい。