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「V PRESS」

　待ち望んでいたFW59小林心の仙台加入初ゴールは、上位直接対決に決着をつける大きなものとなった。明治安田J2リーグ第21節・磐田戦の90+3分、右サイド遠目からMF10鎌田大夢がフリーキックを送り、逆サイドでFW48中田有祐が折り返す。このときにはもう、相手DFの追走をかわしてゴール前に走りこんだ。本人によれば「感覚で入りました」という。FW47荒木駿太のワンタッチを挟んでゴール正面に渡ったボールは一度上に跳ねたが、小林はその行方を見失うことなく、ゴールに押しこむことだけを考えていた。相手選手よりも早く、体ごとボールに向かう。胸で押しこんだ、執念の1点だった。

　小林は相手DFの背後を突くスピードとタイミングに秀で、DFの視界の外からゴール前に飛び出すことも得意。チームメイトのパスとの呼吸が合ってくることで、さらに決定機は増えるはずだ。そして何より、どちらの足でも頭でも、点を取ることが小林の最大の仕事。「ここからやっとベガルタの一員になれた」というストライカーが、勢いに乗ってゴールを取り続けることを期待したい。