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VP EYESMATCHDAY PROGRAM
「V PRESS」

ホームで上を目指す立て直しを。
勝利の鍵は中盤のポジショニングと球際の攻防

 ホームで立て直し、明治安田生命J2リーグ戦の残り4試合を駆け上がらなければならない。それが現在のベガルタ仙台に課せられた使命だ。前節は岡山との上位対決に敗れ、今季のJ1自動昇格圏である2位以内に入ることができなくなった。0-3での完敗でショックも大きいが、ここで上を目指す歩みを止めるわけにはいかない。岡山戦後に伊藤彰監督は「不甲斐ないゲームだった」と猛省するとともに「もう一度奮い立たせないと」とチームの顔を上げさせた。

 再起の場所がこのユアテックスタジアム仙台だ。リーグ戦では残り2試合となったホームゲームで、サポーターの後押しを受けて自信を取り戻し、現在磨いている組織的な戦いをさらに進めたい。前節の岡山戦では相手のプレッシャーを受ける中で、フォーメーションを変えながらの攻撃がなかなか進められなかった。相手の間を取る立ち位置へ素早く動く、攻撃をつなぐ中で相手のプレッシャーより速くパスのスピードを上げる、といった普段の練習で身につけていることを発揮する状態を作って、仙台はこのゲームに挑む。

 そのためにはまず、立ち位置をとるためにも、ボールを自分たちのものにするためにも、球際での戦いを制しなければならない。MF35フォギーニョやFW44中島元彦、DF47佐藤瑶大といった競り合いに強い選手たちの力が一層求められる。MF10梁勇基や出場停止から戻るMF50遠藤康のように、相手をいなすプレーも織り交ぜられるベテランの力も生かしたい。

 相手の東京Vは攻撃の技術に優れる選手が伝統的に多く、その流れは今季も引き継がれている。キープ力がある選手、巧みなボールタッチで相手をかわせる選手、裏を突くパスを出せる選手。こういった才能に優れる選手たちの組み合わせから繰り出される攻撃を、仙台は止めなければならない。前回対戦時と監督や選手が入れ替わり、城福浩監督のもとで崩れにくい陣形を整備しつつある。そのなかでMF7森田晃樹や途中加入FW30染野唯月のようなテクニシャンたちの持ち味を発揮させないように、仙台は彼らのパスコースに割って入るポジションを取りたい。

 セットプレーの攻防も重要だ。東京Vは前節にショートコーナーキックからDF3ンドカボニフェイスがゴールを取ったように、工夫をこらした攻撃をしてくる。MF4梶川諒太の直接フリーキックにも注意だ。一方、仙台の攻撃でも中島や遠藤、MF8松下佳貴といった優秀なキッカーたちがいる。DF20キムテヒョンやDF13平岡康裕らターゲット役の活躍にも期待しよう。

 厳しいシーズン終盤。しかし上を目指す戦いは続く。力強く、這い上がろう。