長かった公式戦15連戦も終盤戦に突入した。仙台はこの連戦中、リーグ戦5試合勝ち無しという苦しい時期も経験したが、前節アウェイで行われた湘南戦は、前半から攻撃力が爆発。DF4蜂須賀孝治のクロスからMF16野津田岳人の今シーズン初ゴールが生まれ、FW30西村拓真がPKを決めた。後半1点差に詰め寄られ苦しい時間帯もあったが、GK21関憲太郎、DF27大岩一貴を中心に守備の集中が途切れず、終盤カウンター攻撃で西村がダメ押しのゴールを決めて3-1と快勝。DF6板倉滉、MF7奥埜博亮が負傷から復帰し、4月に加入したMF40関口訓充もコンディションを上げ、自慢のドリブルのキレが戻ったことも好材料だ。そして明治安田生命J1リーグは今節を入れてW杯中断前残り2試合。15連戦最後のホームゲームは現在J1首位をひた走る広島と対戦する。
広島は今シーズン、FC東京、甲府などで監督を務めた城福浩監督が就任。堅い守備組織を作り上げ、FW39パトリックのパワーを存分に生かすサッカーで快進撃を続けている。
パトリックは川崎、甲府、G大阪でプレーし、昨シーズン途中で広島に移籍。189㎝の長身を生かした高さ勝負への強さとカウンター攻撃を仕掛けられるスピードを兼ね備え、今シーズンは全盛期のパフォーマンスが戻り、13試合で8ゴールを挙げている。サイド攻撃も強力で、左サイドのMF18柏好文、DF19佐々木翔、右サイドのMF30柴崎晃誠、元仙台DF33和田拓也の縦方向への突破やクロスボールには注意したい。MF6青山敏弘、MF15稲垣祥から繰り出される精度の高いパスも警戒すべきだ。ここまでわずか5失点の守備陣はDF2野上結貴、DF4水本裕貴を中心に安定感があり、元仙台GK1林卓人もファインセーブを連発している。
このように堅守速攻を徹底した広島は非常に手強い。まずは攻めている時間帯カウンター攻撃へのリスクマネジメントを徹底したい。ボールを奪われた後の守備対応が少しでも遅れると、パトリックにボールが渡りピンチとなるので、攻守の切り替えを素速くしたい。一方の攻撃だが、4バックを相手に仙台の3-4-3もしくは3-5-2は数的優位を作りやすい。自信を持ってこれまで積み上げた攻撃スタイルをぶつけて、湘南戦のように決定機を確実に決めきりたい。
仙台は勝てない時期もブレずに、良い立ち位置を取り続けて攻撃するサッカーを追求してきた。ブレない「信」念を持ち、首位相手に恐れること無く戦い、絶対に勝利をつかもう。