明治安田生命J1リーグは中2~3日の連戦真っただ中。非常に厳しい日程で負傷者も出ているが、選手全員の力を結集してこの難局を乗り切りたい。今節は昨シーズン、J1リーグ優勝した川崎Fと対戦する。
昨シーズンの10月、仙台と川崎Fは3試合連続公式戦で対戦し、死闘を演じた。仙台が重視するのは選手の立ち位置、スペース。一方、川崎Fが重視するのはボールをいかに動かすか。スペースを支配する仙台とボールを支配する川崎F。確固たる哲学を築き上げたチーム同士がぶつかったことにより、3試合とも好勝負となった。
J1リーグYBCルヴァンカップ準決勝初戦は、仙台対策で川崎Fが3バックで臨んだが、不慣れだったこともあり、仙台が空いたスペースをうまく突き、FW11石原直樹の先制ゴールを皮切りに前半だけで3得点。ところが後半、相手が4バックに戻すと劣勢となり、退場者を出し2失点して、苦しみながらも勝利。アウェイで行われた2戦目は先に2失点を喫し、元川崎F、MF23中野嘉大のゴールで一矢報いたが、1-3で敗れ、悔しい準決勝敗退が決まった。その翌週迎えたリーグ戦での対戦では、前半から川崎Fを圧倒し、MF16野津田岳人、石原のゴールで2得点。勝利は決まったかに思えたが、試合終盤5分間の間に3失点を喫して2-3でまさかの敗戦。この上ない悔しさを味わった。この3試合、仙台は非常に良い内容を出せたのだが、あと一歩で結果につながらなかった。今年こそ内容を良い結果に結びつけなければならない。
今シーズンの川崎Fは、昨シーズンの主力FW11小林悠や、MF14中村憲剛、MF41家長昭博らが残留した上、FW4大久保嘉人がFC東京から復帰し、横浜FMからMF37齋藤学が加入するなど、さらに攻撃陣の層が厚くなった。今シーズンもボールを自在に扱う攻撃は健在だ。守備もGK1チョンソンリョンや、MF5谷口彰悟を中心に安定している。
そうした昨シーズンの王者との戦い。当然、相手の攻撃の圧を受け、うまくいかない時間帯もあるだろう。しかし、そんな時こそ、これまで築き上げた「芯」に立ち戻りたい。川崎Fの選手間のスペースに入り込み、仙台が得意とする良い立ち位置を取り、両サイドからクロスやカットインで揺さぶって、確実に得点したい。そして今シーズンは攻守でうまくいかない時、試合中に選手間で話をして、立ち位置を修正し、主導権を取り戻すことができている。うまくいかない時間帯も冷静に試合を運び、最後の最後まで集中を切らさないよう心掛けたい。
昨シーズンから成長した仙台の「芯」の力を見せつけ、必ず勝利をつかみ取ろう!