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GK 22 川浪 吾郎 Goro KAWANAMI

1991年4月30日生まれ 192cm / 84kg 茨城県出身
手代木SC→柏レイソルU-15→柏レイソルU-18→柏レイソル→FC岐阜→柏レイソル→徳島ヴォルティス→柏レイソル→徳島ヴォルティス→アルビレックス新潟→ベガルタ仙台(2018年加入)

力強いセーブで、
最後尾から味方を支える。

 サッカーではしばしば「GKが試合を決める」ということがあるが、仙台にとってその最近の事例は、3月14日のJリーグYBCルヴァンカップ第2節・横浜FM戦だろう。この試合で川浪は、何度なく好セーブを連発し、無失点で試合を終える上で大きな役割を果たした。

 今季、新潟から仙台に加入。長身で、リーチも長く、飛んできたシュートに対する守備範囲が広い。空中戦における堅実なキャッチングも武器だ。また、柏のアカデミー時代から磨いてきた足下の技術も、この仙台のスタイルにおいては重要だ。

 「チームの目標に向かって、ピッチの上で貢献したい」

 仲間たちと切磋琢磨する中で、公式戦最初の出番は3月7日にやってきた。奇しくも、相手は昨季まで所属していた新潟だった。「カテゴリーも違う中で、すごい巡り合わせ」というこの試合で、川浪は味方と連係して安定したセービングを見せていた。しかし1点をリードして迎えたアディショナルタイムに、チームは隙を突かれて失点。川浪は「あそこをひとつ、キーパーとして止められたらチームが勝てたと思うので、悔いが残ります」と反省した。「高い授業料でしたが、しっかり教訓として学ばなければいけません」。次のチャンスに向け、川浪は準備を進めた。

 川浪が再び仙台のゴールを守る機会は、一週間後の3月14日にやってきた。相手は、前に人数をかけて攻めてくる横浜FM。しかも敵地で迎えたこの試合で、仙台は前半のうちに退場者を出して、数的不利になってしまった。

 この苦しい展開で、川浪がチームを支えた。猛攻を受ける中でも、声をかけながら味方と連係して相手のシュートコースを消し、守備組織を整えた。それでも相手に最終ラインの裏に抜け出されたときもあったが、そこでは川浪が体を投げ出してブロック。ゴールを割らせなかった。「吾郎にすごく助けられた」(金正也)「『大丈夫だ。俺が守る』と声をかけてくれて、心強かった」(椎橋)と、仲間たちも守護神に感謝した。

 「日頃の練習の成果を出せたと思いますし、これを継続できるように頑張ります」と、川浪本人は前を向く。頼もしいGKが、仙台に加わった。