長かった今シーズンの明治安田生命J1リーグもいよいよ残り2試合となった。
今シーズン、仙台は3-4-2-1の新フォーメーションを採用し、攻守に主導権を握り、良い立ち位置を取り続けるサッカーを目指した。春先は新しいフォーメーションでのバランス取りに苦労し、失点が多くなったこともあったが、JリーグYBCルヴァンカップでFW30西村拓真やMF34椎橋慧也など若手選手の台頭が見られたことで、チーム内の競争が激しくなり、コンセプトの浸透も急激に進み、徐々に得点力が向上し、守備も安定し始めた。夏の補強でMF29古林将太、MF16野津田岳人らを獲得すると、より一層攻撃の鋭さを増し、第25節・鳥栖戦、第27節・C大阪戦では4得点を挙げ快勝するなど、大きな成果を挙げた。ルヴァンカップは準決勝で惜しくも川崎Fに敗れたが、クラブ史上最高のベスト4という成績を挙げ、鋭い攻撃を見せ続ける姿はサポーターの感動を呼んだ。仙台はこの1年で全ての選手が常に立ち位置を考えながら攻撃的に戦うスタイルを確立させ、全国のサッカーファンから注目を集めるまでになった。ホーム最終戦。思う存分、仙台の新たなスタイルを見せつけて、来シーズン以降の大躍進への大きな弾みとしたい。対戦相手は現在5位と上位の横浜FM。相手に不足は無い。
横浜FMは3シーズン指揮を執ったモンバエルツ監督が今シーズンで退任することが決まった。クラブをタイトルには導けなかったが、フランス国籍の監督らしく攻守に洗練されたサッカーを展開。良い立ち位置を取り続けるという点では仙台の先を行っていた部分もある。今シーズンはMF中村俊輔が磐田に移籍し、先行きが不安視されたが、ここまで全試合出場のMF14天野純が攻撃の核として大きく成長した。その他ボランチのMF5喜田拓也や、サイドアタッカーのMF18遠藤渓太など若手選手の台頭が目立った。今節はMF6扇原貴宏、MF20マルティノスが出場停止だが、個々の能力は非常に高い難敵だ。
仙台としてはこのような素晴らしいチームに勝って、この1年の集大成としたい。前節、美しいミドルシュートを叩き込んだMF18三田啓貴が攻守の要となり、良いポジションに顔を出し続けたい。前節、ゴールに絡んだ古林とDF4蜂須賀孝治の両ウイングバックが果敢に攻撃を仕掛け、クロスや中のスペースに入り込んでのシュートで相手守備陣を崩したい。相手の攻撃力は脅威だが、DF27大岩一貴を中心としてカウンター攻撃にもしっかり対応し、2試合連続無失点勝利につなげたい。
この1年の成長を見せる大事な試合。選手、スタッフ、サポーターが一体となり、ホーム最終戦を勝利で締めくくろう!