NEW HERO

FW 30 西村 拓真 Takuma NISHIMURA

1996年10月22日生まれ 178cm / 72kg 愛知県出身
名東クラブジュニア→名東クラブジュニアユース→富山第一高→ベガルタ仙台(2015年加入)

ニューヒーロー、その先へ。
歩みを止めない若武者。

 ニューヒーローは、止まらない。その歩みも、成長も。

 10月27日、西村拓真は2017JリーグYBCルヴァンカップのニューヒーロー賞に選出された。この大会でグループステージ6試合とノックアウトステージ4試合の合計10試合すべてに出場、2得点2アシストをはじめとした活躍が評価された。

 受賞したその日、本人は喜びと驚きとともに、「もっと欲が出てきました」と、ここで満足しない姿勢を示した。この向上心が、西村を前に進めている。

 西村にとってのプロ3年目は、大きく出場機会を増やしてきた飛躍の年といえる。ルヴァンカップ第4節・大宮戦で今季、公式戦初ゴールを決め、明治安田J1リーグ戦でも2得点をはじめ、第14節・甲府戦や、第25節・鳥栖戦などでアシストも重ねてきた。

 そして数字に表れにくい部分でも、西村は成長してきた。今季から仙台が採用する3-4-2-1のシステムでは、西村は2列目にあたる“シャドー”のポジションで出場している。これは彼のサッカー人生において初挑戦の場所だそうだが、ここでも前向きに挑戦を続け、その結果として、できるプレーが増えた。「1トップの選手との連係などを通して、視野が広がりました」。少し引いた位置から飛び出したり、相手のDFと守備的MFとの間にポジションを取ってボールを受けたり、という動きで、仙台の組織的な攻撃を円滑に動かす役割を果たしている。

 一方で、できることが増えたからこそ、それらの選択肢から状況に応じて最適なプレーを選ぶために、判断が遅れることもあった。前節の大宮戦では、ゴール前でのプレー選択を誤ってチャンスを逃し、試合後に「満足できるほど自分のプレーが出せなかったし、精度ももっと高めなければ」と、反省することしきりだった。

 だがそれは、成長する上では避けられない壁だ。成長するたびに、乗り越える壁は高くなる。それでも、西村は向上心とともに、一つひとつ壁を乗り越えて、ニューヒーローの先へと進んでいく。