2018 明治安田J1 第15節 鹿島アントラーズ
お疲れさまでした。毎年、カシマスタジアムには沢山の仙台のサポーターが来てくれるのですけれども、今日も我々のサポーターに割り当てられたゾーンの中で、ものすごく一体感のある、パワーのある声援を送ってもらいました。それがすごく力になりました。ありがとうございます。
15連戦の締めのゲーム、最後というところで、リーグ戦はなかなか勝てない時期が続いたり、(JリーグYBC)ルヴァン(カップ)で1位突破を決めたり、波がある15試合だったのですけれども、最後の最後でようやくけが人も戻ってきて、少し仙台らしいパフォーマンスというものをしっかり見せて、なおかつそれをしっかり結果に結びつけることができたのかなと思います。
戦術的な狙い、それも当然そうなのですが、何よりも今日はやはり、球際で勝ちきるだとか、走る部分で勝ちきるだとか、そういうところをしっかりと表現したからこその勝利だと思いますので、やはりもう一度原点というものをしっかりと見つめ直して、中断後に向けてまたいい準備ができると思います。
■後半に相手が選手交代でかたちを変えてきましたが、それは予測していましたか。また、実際にピッチ上ではどのように対処しましたか。
予測は全くしていません。でも、逆に言うと、あの鹿島を、システムを変えるまでに我々は追いこんだという思いがありました。かたちを変えてきたとしても、我々の方が逆に言うと優位性を保てるだろうという思いがあったので、実際にボールを握ろうと思えば、鹿島さんがミラーゲームっぽく挑んできても、我々の方が優位性を保てたと思います。
ただし、ひとつ違ったのは、やはり前への圧です。前線の人数が増えて、あるいは高さが増えて、といったところでの圧力は感じていたので、もう少し早く我々も守備の部分でシステムを整理してのぞめばもしかしたらあの1点はなかったかなと思うので、ちょっとそこは私自身の反省点ではあります。
でも、中の選手とコミュニケーションをとりながら、2トップのままでいけそうだと確認し合っていましたし、そこはもう1回、映像等を見て振り返りたいとは思います。でも鹿島さんのシステム変更というものを予測はしなかったにせよ、我々にとってはなんら慌てることなく、しっかり対処できたと思います。
■ここで、15連戦もひと区切りということで、開幕からここまでの仙台の今シーズンの戦いぶりはいかがでしょうか。
今日、ホテルのミーティングで、選手に「今日で15試合を戦い終えるわけだけれども、これまでどういう結果だったとか、これから何が起こるのか一切考えるな」と言ってきたので、すみません、今この場で振り返るとなるとなかなか難しいのですけれども、一言で言うと、ちょっと安定感がなかったかな、とは思います。
やはり、これだけ我々がしっかりやれるということを証明した、それも我々の成果なのですけれども、勝点を落としてしまったゲームもたくさんあるので、その辺は、波を小さくして、より高いレベルでのパフォーマンスというものを続けていくことが、必要なのかなと思います。
では、それがなぜなのかということは、ゆっくり振り返って、それを修正するトレーニングをこれからしていければと思います。
■鹿島を相手にデュエルで圧倒して、前半は特に奥埜選手や野津田選手を中心に球際で競り勝ちました。これは、15連戦の最後で、出しきるところは出しきるというところでこういうパフォーマンスが生まれたのでしょうか、それとも何か監督から声がけがあったのでしょうか。
単純に「球際」とよく言いますけれど、そもそもチーム戦術がしっかりと理解がある上で行動を起こさないと、迷いがあったら一歩というものは遅れるので、そういう部分では我々はチーム戦術というものを全員が理解していて、その理解に基づく決断や行動があるからこそ、思い切って相手にもいけて、球際で勝てているね、ということを証明できているということが、今日のゲームもそうですし、実際に我々の理想だとも思います。
では、それがなぜうまくいかないかというと、やはり相手があることなので、我々の狙いを外され、一個外されると次はどうなるのだろうという迷いがあるから、思い切っていけなくなるという悪循環になってしまう、となると、どうしても球際で戦っていないなどとみられがちになると思います。
だから、そういう部分は、最初に理由としてあると思います。今日は、それがしっかりと狙いとして持てていたからこそ、選手も迷いなくいけて、球際も勝ちきることができました。
あとは、やはりおっしゃったように、メンタリティーもあります。最後の一戦で、さっきも申し上げたように、「これまでどんな試合をしてきたのか、とかは一切関係ない。これから我々に何が待ち構えているのかも関係ない。すべて、出しきれ」という話をして送り出しましたし、おそらく選手もそういう思いで戦ったからこそ、五分五分のボールが我々のボールになった。そういうものも当然あると思いますので、これからもたくさん試合がありますけれども、今言った大きな要因の二つというものをしっかりリンクさせて、より仙台らしいサッカーを表現できればと思います。
■非常に先発の2トップが素晴らしかったのですが、監督が2トップにどんなイメージを持って、いつも「こうやれ」と言っていますか。
実際に、アベタク(阿部)が復帰したのが今日のゲームに向けたところでぶっつけ本番だったので、普段どういうことを言っているのかということも、少し授けるものが少ない中で、2トップの出番がきたと思います。
でも、そうはいってもキャンプからずっと一緒にやってきていますから、チームの狙いというものも分かっていたでしょうし、何より石原とアベタクの2トップで、彼らのクオリティーの高さというものが、我々のチームでは一番だということを今日は証明してくれたと思います。
もちろん、西村も今は急成長をしていて、我々のチームのトップスコアラーですから、これからもっともっとおそらく活躍してくれると思うのですけれども、そのクオリティーという部分では、今日の2トップがやはりチームにとって非常に大きな仕事をしてくれた、あるいは違いを見せてくれたと思います。やはりあそこでどれだけおさめられるか、前を向けるか、あるいははがせるか、というものがキーでしたから、マンツーマン気味にくる相手をひっくり返せたのは、彼ら二人の功績だと思います。