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試合日程/結果

2017 明治安田J1 第33節 横浜F・マリノス

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。今シーズンのホーム最終戦ということで、非常に大勢のサポーターが集まってくれました。おそらく我々に対するいろいろな期待だとか、あるいは我々が勝たせてやろうという思いだとか、そういったものを携えて、多くの方に集まっていただけたと思います。
 結果的には勝利というかたちで彼らの思いに応えることができなくて非常に残念だったのですけれども、1年間を通して戦ってきた我々のスタイルだとか、仙台のサッカーというものは表現することができた90分だったのかなとは思っています。
 ただ、セレモニーでも申し上げたとおり、やはりGoodからStrongにならなければいけない今年の状況の中で、今日のゲームは本当に、今年1年間を象徴するような試合だったのかなという感じがしています。やはり、強者になるためには、タイトルを獲るためには、まだまだ道のりは長く、ともすれば険しいものなのかなと、そういったことをいろいろ突きつけられた今日の90分、あるいは1年間だったと思いました。
 ただし、これも先程(のセレモニーで)申し上げたのですけれども、今年の選手たちの成長は素晴らしかったと思います。いろいろなトレーニング、はたらきかけをしてきましたけれども、それを信じてついてきてくれた選手たちを誇りに思います。スタッフも含めて、今年2017年のメンバー全員でチャレンジしたこの1年間というものも、私は誇りに思っています。何とか最後のアウェイの甲府戦で、そういうものを結果につなげて、いいかたちで2017年を締めくくることができればと思っています。

■今日の後半はかなり選手交代が遅い時間になりましたけれども、バランスを気にされていたところもあったのでしょうか。相手も選手や布陣が変わった中で、どういったかたちで進めようとしたのでしょうか。

 本当は、蓋をしたい場所がありました。ただし、今日に入れていたサブを含めていたメンバー構成を考えると、ちょっとそこをいじることができなかったと。ただし、時間の推移を見て、ひとつひとつ時間を使いながら、メンバーを交代していって、2-1のまま我々が逃げ切る、あるいは止めを刺しにいくというようなかたちに推移していこうと腹をくくったのが、75分。残り15分くらいで、私のプランを変えました。
 本来であれば、もっとみんなが元気で、選ぶメンバーにも困るくらいの選手がいれば、もっともっと競争が活性化されて、もっと早めに手を打てたのかもしれませんけれども、今日に入れた18人の中で言うと、そうせざるを得なかったというのが本音です。
 ただし、決して悪い流れではなかったので、あの11人でもう1点止めを刺して、突き放すことも十二分に可能だと思っていますから、そういったものも含めて、あの時間の選手交代というかたちになりました。

■「今年を象徴する試合だった」とのことですが、この試合のいいところと悪いところで、今年を象徴する場面はどこでしたか。

 前半の入りこそあまり良くなくて、リスタートから失点を喫しましたけれども、その後の我々のアタックというものは、逆に言うと素晴らしいと思ってくれなければ悔しいという感じがします。それくらい、いいものを出せたのではないでしょうか。みんなが狙いを共有して、こういうポジションを取ればここが空く、実際にそれを探せてそこを使える、相手のゴールマウスに迫れる、フィニッシュで終わる、はじき返されても相手陣内で取り返す、そういうものをしっかりと見せたゲームだったと思います。それが我々が今年に目指してきたかたちですし、サッカーですし、スタイルですし、それをしっかりと表現できたものは、私は今日は素晴らしかったと思います。
 ではこれが、開幕当初からできていたかというと、まったくできていませんでしたから、1年間でここまで良くなったことには、胸を張っていいと思います。ただし、最後に、アンラッキーなかたちではありましたけれども、失点を喫してドローで終わってしまった。この結果が全てです。この結果が、悪いというか、納得できない部分、唯一にして最大のところだと思います。それを克服するために、今年1年間やってきたつもりですから、まだまだなのだなという気もしています。

■去年のホーム最終戦では立ち上がりのセットプレーで先制されてから慌ててしまいましたが、今年は前半のうちに逆転できたというメンタル面についてはどう思いますか。

 相手の直接FKで入れられたときには、私も同じ光景を思い浮かべました。「去年と一緒だな」と。去年も確か、直接FKを同じ左利きの選手にやられていますから。
 でも、「さあ、ここからやってみろ」という期待感は、今年は私の中ではすごくあって、多分選手も、去年のホーム最終戦で実際にピッチに立っていた選手があまりいないかもしれませんけれど、決して下を向くような感じにはならなかったかなと思っています。
 実際、前半のうちにひっくり返してみせました。すごく、たくましく、頼もしく見えましたよ。選手たちが。それは、ずっと積み重ねてきたものに対しての、自分たちの自信があるからこそ、「まだまだ俺達はひっくり返せる」と思っていたと思いますし、単純にメンタルの部分だけでなくて、我々のサッカーのスタイルがより明確になっていて、残りの時間にこれだけあれば、俺達のサッカーをやれば追いつけるぞと、逆転できるぞと、いうようなところが、メンタルの部分とリンクしたからこその展開だったと思います。
 特段、私の方から何かけしかけたものもないですし、彼らが自発的にしっかりと、ゲームをひっくり返してみせたという、88分までですね。ただし、最後のところで、ああいうオチがついてしまうというのが、今年一年間の象徴なので、何とか最後の甲府戦では、そういうものを払拭して、「来年こそは」というかたちにしていきたいと思います。

■二桁得点を達成した石原選手の評価をお願いします。

 存在が大きすぎて、ナオ(石原)がいなければ、今年のやり方はおそらく成り立たなかったと思っています。本人も、なかなかボールが出てこなくて、いらいらした時期もありましたし、すごく思い悩んだ時期もあったと思うのですけれども、彼自身も粘り強くプレーしてくれたこと、あるいは周りを諭しながら、1人の先生のように振る舞ってくれたこと、本当に、私にとっては心強い選手でした。
 これで自己最多に並ぶ10点を記録したのは、素晴らしいことだと思います。前回は、優勝した広島というチームで10点を挙げました。でもチーム全体の順位としてははるか下の方の我々なのですけれども、それでもナオが最多タイの10点を取れたということは、もちろんナオの素晴らしい技術があったからこそのゴールがたくさんあるのですけれども、そこまでお膳立てができるようになったチームメートの成長というものも、非常に大きいと思いますし、何よりもそれを促してくれたのはナオ自身だと思いますし、本当にとてつもない存在の大きさだと私は認識しています。
 多分、10点の中で、今日が初めて2タッチでゴールを決めたのではないでしょうか。1回トラップをしていたと思うのですけれども、それまでの9点は全て1タッチのゴールだったと思うのです。1タッチのゴールということは、やはりそれだけ周りがお膳立てをできていたということの証だと思いますし、ナオ自身の技術の高さも当然なのですけれども、もう1点をぜひ取って、キャリアハイというものを達成して、締めくくるかたちにしてあげたいと思います。