2017 明治安田J1 第28節 浦和レッズ
お疲れさまでした。久々の日曜日のデーゲームで、18,000人を越えるサポーターが集まってくれて、素晴らしいシチュエーションを作り出してくれました。
本当にありがとうございます。選手も、非常にタフに、ハードにやってくれましたし、何とか勝ち星につなぎたかったという思いしかありません。ただ、悔しい、の一言です。
中には、「惜しかったね」とか「いいゲームだったね」とか言ってくれる人もいるかもしれませんが、そうじゃないと。やはり、このエネルギーとかゲームの中身というものを勝ちにつなげないと、まだまだ中位から上には行けないので、それがなぜできなかったのかというものをしっかりと、また反省して、次につなげていきたいと思います。
ただし、今、選手にも「本気で悔しがれ。中には『惜しかったね』とか言ってくれる人もいるかもしれないけれど、そうではなく、本気で悔しがれ。その悔しさを、健全なエネルギーに変えることができれば、残りのゲームでまた違った姿を見せられるだろうし、ルヴァンカップでも先に進めるだろう」という話をしたので、もちろん気持ちの切り替えも大事ですが、とにかくこの悔しさをしっかりといいエネルギーに変えて、まずはJリーグYBCルヴァンカップのファーストレグにつなげたいと思います。
■どっちが勝ってもおかしくないゲームで、勝敗を分けたポイントは監督にとってどこにあったと思いますか。 また、2失点目の前の際どいプレーやジャッジについてはどう思われますか。
まずは、全体を通して見ると、前半はあまりにもミスが多かったですし、相手のプレッシャーをまともにうけてしまったということが、このゲームを難しくしてしまった1番の大きな原因だったと思います。
相手が来るのも予想できていましたし、前線になかなかターゲットになるような人間がいないので、長いボールを出しづらいのかもしれませんけれども、だったら、どこに落とそうかということも、トレーニングでやってきましたし、全体の共通意識としては持たせたつもりだったのですが、結局探した場所が近場で、全部、引っかかってしまったと。それが、このゲームを難しくしてしまった、そこで先制点を与えてしまった1番大きな原因だと思っています。
後半は相手も少し落ちてきたものがあったので、スペースが生まれて、間を取れて、裏も取れて、ということができるようになりましたけれども、やはりそれを前半からしっかりと判断して、相手が来ていればその背後を狙うと。来なければ、間を取れるというものが、ちょっと今日は、拙さがあったと思っています。
2失点目の部分に関していうと、もう終わってしまったので、しょうがないです。
■1トップに入った野沢選手の評価をお願いします。
前半は難しい展開だったと思います。浦和さんの守り方が少し変則的で、そうなると我々が1対1の状況を作り出せて、そこで(野沢)拓也におさまるのではないかと思ったのですけれども、拓也を警戒していたのかはわかりませんが、基本的にはそこで2対1の状況を作っていました。
センターバックの阿部選手と、マウリシオ選手はおそらく2人で見ているような状況だったので、そこでなかなか拓也におさめさせるのは厳しいかなという感じはしていました。だとしたら、違う人が空いていることを探せなかったのは、この試合を1番難しくしてしまった原因なので、拓也に何か、前半でもっともっと起点になってくれとかいうものは酷かな、と思います。
ただし、前半に数は少ないのですけれども、アタッキングサードで彼が前を向けた瞬間というものはあったと思うのです。そこでひとつふたつ、多分ミスがあったかなと。そこが逆に言うと、拓也の技術だったりアイディアだったりを発揮してくれる場所なので、あそこで決定的な仕事をひとつふたつ演出できれば、もうちょっと攻撃でも、俺達がやれるぞという雰囲気を、前半から出すことができたのかなと思います。
■後半になると相手の中央をもっとこじ開けることができましたが、その後半から入った西村選手に期待したことを教えてください。
梁がちょっと筋肉系のトラブルを抱えたので、後半の頭からの交代というかたちになりました。
ただし、前半から見ている中で、(西村)拓真がシャドーに入ったらどのような絵を描けるのかなと、あるいはクリス(クリスラン)が1トップに入ったらどのような絵を描けるのかなというものは、ベンチから話をしていました。
拓真にその中で期待したのは、基本的に右サイドのマッチアップは1対1だと。右サイドの(古林)将太のところは、梅崎選手が下がって見ています。右のシャドーには、槙野選手がそのまま1対1で見に来ているというような状況でした。だとすれば、1対1の所で背後を取りにいければ、まずはチャンスになれるというようなところを、まずは拓真に期待をして、あるいは指示を出して、送り出しました。
実際に、逆に言うと、左サイドでは、野津田が前を向けるシーンが生まれましたから、ガク(野津田)が前を向いたときに、拓真が背後を取るようなアクションをすれば相手も嫌がるでしょうし、それの組み合わせで、梅崎選手がカバーに回れば、将太が空くでしょうし、そういう動きを期待しました。実際にそれを、立ち上がりからやったからこそ間が空いてきたということもありますし、拓真が果たしてくれた役割というのは大きかったのかなと思います。
ただし、小さいミスがまだ多いですね。そこは、本人の課題で、克服しようと努力してくれているのですが、そこが高まれば、例えば浦和の武藤選手やラファエル・シルバ選手、興梠選手というようなレベルに行けるのかなと思っています。彼にはその、伸びしろがあると思うので、これから彼の伸びしろと、今後の活躍に期待したいと思います。