2017 明治安田J1 第3節 ヴィッセル神戸
お疲れさまでした。3月11日にゲームが行われるとJリーグの日程が決まったときから、この日のゲームの重さだとか、持つ意味の大きさだとか、そういうものは自分なりにずっと理解をしてきたつもりでいます。そのための準備もしてきました。
非常に、難しいゲームになるというのは、前の二節同様に選手に話をしていましたし、「手堅いゲームになるだろうと、また「前節同様に手堅いゲームになるだろうという話をしていました。
少し、私自身の反省としてあるのは、もう少し選手をのびのびとプレーさせてあげたかったな、という感じが今はしています。前半はやはり、堅さが非常に見られて、選手もいろんな思いを背負って戦ってくれたからこそだと思うのですけれども、もう少し私の方で、その堅さというものをほぐしてあげて、もっとのびのびプレーできるようなメンタルの状態にしてあげられれば、もっと違った展開にできたのかなという反省が今はあります。
戦術的にも、神戸さんが我々のアタックに対して、前の2チームとは違う蓋の仕方をしてきて、それに対して、ではどこが空いてくるというようなところを一つずつ整理しながらゲームを進めていったのですけれども、後半の1失点目、それから2失点目があまりにも早くて、そこでゲームをさらに難しくしてしまったのかなという印象が今はあります。
それでも、一つずつ返していけるようなパワー、迫力というものは持てたと思うのですけれども、最後のところの精度だとか、あるいはそこに至る過程での小さなミスとか、そういうものがまだまだ我々にとっては、伸ばしていかなければいけない部分なのかなと感じていました。
今日のゲームでは、まずは選手の戦う姿勢だとか、意欲だとか、そういうもので被災地に勇気や希望を届けるということ、当然その先にある勝利をつかんでこそ、そういうものを皆さんに届けられるという思いでしたので、今日のゲームは非常に悔しいですし、そのような我々の願いが届かなくて非常に申し訳なく思っています。
ただし、逆に言うと何かがやれたからこそ、そういうものを届けられると。一日だけで何かが報われるとは思いませんし、今日のゲームがだめだったからもう仙台がだめなんだとは思ってほしくないですし、今年のスローガンにもあるように、こういうときだからこそ自分たちが強くあるんだというものを見せて、さらにそういうものを強めていって、本当の復興のシンボルとして、光り輝くときを、また自分たちでたぐり寄せていきたいと思います。
■ 過去2試合に比べて攻撃の一工夫が足りなかった理由には、堅さがあったのでしょうか。
それも一つだとは思います。あとは、戦術的に神戸さんが明らかに今までの2チームとは違う対策をしていて、それを把握してあるいはそこから我々がそこに対して手を施すという部分では、ちょっと時間がかかってしまったと思っています。それでも、前半の途中からそういうものをベンチから伝えたり、あるいは選手も感じたりして、実際にそこをずらしていくような作業はしてくれたのですけれども、そこは本当に我慢比べだったと思うのです。後半もそういうところでもう少ししっかり相手陣内に押しこむだとか、そういうものができていれば、また展開も変わったと思うのですけれども、先に失点した、あるいは2失点目も食らってしまったというところで、我々の攻撃の圧力と、あるいは神戸さんが構えるというところの割り切りと、そこでうまくいかない部分がたくさん出てしまったのかなという気がしています。
でも、それを一つずつはがしていく作業というものは、実際に今日のゲームでも見られましたし、決してそこまで悲観することもないのかなと感じています。逆に言うと、これを崩していければ、我々はもっと攻撃でも優位性を保てると実感できました。
■ ギャップを突くという点では、横の幅は出たと思うのですが、縦の幅があまり出なかったと思います。攻撃の手応えはいかがでしょうか。
崩しきれなかったので手応えがあるかといえば、あるとは言えないですよね。でもこれが、一試合こうだったから、手応えがないからだめでしょうというのは、まったくそういうようには私は思っていなくて、実際にキャンプの時も、同じように、ミラーゲームっぽくなったときに、苦労したことはたくさんありました。
ではそのときに、こうやってやったらひとつずつずらせるよね、というところは、本当に今はトライしている最中なんですよね。実際に、神戸さんのそういった部分での守備での局面の圧力というものは、非常に強いものを感じましたし、そこを打ち破っていかなければいけないと感じました。
でも、実際にその狙いとしてどのようなものが持てたのかというものは、選手の中でも共有できているものはたくさんあるので、決して悲観することはないと思っています。
今日のゲームに関していえば、手応えはなかったです。だからといってこの先もないのかというと、全くそんなことは思っていなくて、本当に一つずつ、これをクリアーしていけば次はこうなるな、というものも見えていますし、実際に選手も局面局面ではそういうものは感じていると思うので、これが我々の伸びしろなのかな、と思っています。
■ 後半に失点した時間帯には神戸が選手を代えて、バイタルエリアを使われてしまったと思われますが、それをどう分析して、次にどうしていきますか。
ハーフタイムに神戸さんが交代してきた時点で、後半は“個”ではがしてくるんだなという狙いは分かりました。結局何か、グループや組織で、我々がやっているように相手をずらすというよりは、局面の勝負、“個”の勝負で我々をはがしにくるのだろうというような狙いはもう、十分に見てとれました。
実際に失点したシーンも、1失点目は我々の左サイドで、ワンツーではがされたところから始まっていますし、その後のドリブルの対応の部分も壮ですし、我々としてはそういうものは予想していただけに、その簡単にそこをはがされてしまった悔しさというものはあります。
しかし、選手も話をしていたのですが、「俺がもうひとつ寄せられた」というようなところの話をしてくれているので、実際にそういったところに対して、次に我々がトライをできていければ、個人で今度はがしてくる相手にも、また違った対応ができると思っています。