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試合日程/結果

2016 明治安田J1 2nd 第16節 FC東京

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。2000人を超えるサポーターが味スタに集結してくれたと、試合前に聞きました。味スタはベガルタにとって勝てていない場所で、そういったデータとかは知っていましたし、何とかそういうデータを払拭する、あるいは新しい歴史を今日から築いていこうじゃないかというかたちで、選手を送り出したのですけれども、サポーターと一緒に勝点3を喜び合うことができずに、非常に悔しく思いますし、また、残念に思います。
 ゲームに関して言うと、入りがすべてだったのかなという感じがしています。早々に先制をされましたけれども、その前にもやはりあまりにも簡単にボックスの中に進入されてシュートも打たれていましたし、(関)憲太郎のセーブで何とかそこは事なきを得たのですけれども、あそこで少しばたついてしまって、そういったところがなければ、もっともっと違うゲームができたのではないかと思います。
 ここ数試合、「勝負に対して割り切ろう」ということで、「多少自分達の思うような展開、あるいは時間帯ができなかったとしても、そこは割り切ってやろうじゃないか」というような話をしていましたが、やはりああやって先手を取られれば、難しくなりますし、我々が意図的に何かゲームを割り切ったかたちにしたものではないので、やはりそういったものは、まだまだ我々にとって未熟な部分が出てしまったのかなという感じがしています。
 しかしながら、その失った点を取り返そうというようなパワーと、あるいはその攻撃に対する組み立てというものは、今シーズン積み上げてきたものを披露できたとは思います。やはり最後のところで、FC東京さんの(日本)代表のセンターバックが2人いるような最終ラインをなかなか破ることができなくて、おそらくシュートも少なかったと思うのですけれども、そういった部分に関しては、個ではがせなければ、グループではがしていく、そういったアイディアをもっと増やさなければいけないし、回数も増やさなければいけないと感じました。
 2016シーズンも残り1試合になりましたので、今日の悔しさは、今日、この味スタに置いていって、何とか最後のゲームをホームでしっかり戦って勝ちに結びつけないといけないと思います。

■ 「入りがすべて」というところで、特にセカンドボールが取れなくてしばらく落ち着かなかったのですが、今回代わったボランチのところ以外も、どのポジションもなかなかセカンドボールが取れなかった展開から、どう立て直すことを選手には期待していましたか。

 まず、セカンドボールがなぜ生じるか、というところですよね。我々が割り切って大きいことをやろうと思えば、それに対するセカンド(ボール)の予測というものが当然あったと思いますし、それができていたのが、前節の神戸戦や、その前の鳥栖戦です。
 逆に言うと、FC東京さんも割とシンプルに入れてきたものに対して、自分達がそれを拾おうと思えば、やはり自分達のアクションではなくリアクションになる部分だと思うのですけれども、そういったところでもやはり予測と準備というものが今日は遅かったのかなという感じがしています。
 ただし、今までにそこを凌げてきたのは、セカンドボールが拾えなくても、ディフェンディングサードで粘り強く守ったからだと。そこができていれば、我々のマイボールの時間にも転じることができますし、そこから攻勢をかけることができるということが、この前の神戸戦やその前の鳥栖戦にもできていたのですが、ではセカンドが拾えない、その後にどうする、といったときに、やはりその後に容易にあれだけボックスの中に入られてしまえば、決定的ピンチも招くし、難しい時間帯にもなってしまいます。
 仰ったように、セカンドボールを拾えなかったという事実は、反省しなければいけないのですけれども、そういうことがあっても守れたのが我々ですから、逆に言うとそこにもっとフォーカスして、失点を減らす、あるいは背中を取らせない、そういった作業をやらなければいけないと思いました。

■ 後半にいいかたちで(ボールを)奪ってカウンターに入ってもなかなかいいかたちでフィニッシュまで行けなかった場面が見られたり、取られた後に仙台は二列目が戻りきれなかった場面があったり、というところは、追いつこうとしてエネルギーを使い果たしてしまったのか、あるいはFC東京が守備の帰陣の速さとか組織を作る力とかが最後まで落ちなかったのか、どちらだと思われますか。

 やはり1-0で勝っているチームにしてみれば、「勝っているチームがカウンターを受けることほど愚かなことはない」と私も常々選手には言っているので、そういったリスクマネジメントに関してはさすがだなと思いました。
 必要以上にFC東京さんも人数を割いて、攻撃に対するリスクマネジメントをしていたと思いますし、それに対して我々が数的優位を作り出すためには、もっともっと、仰ったようにパワーを出して、出ていかなければいけなかったと思います。
 ただし、そこに対しては、その局面だけで、我々がどれだけスプリントしたからといって、あそこで数的優位を作ることも難しいと思います。
 であれば、相手を押しこんだ先にどういったことができるのかということを考えなければいけません。そういった部分では、もう少しシンプルにサイドを使ってアタックをしかけてもいいのに、というところは見ていてずっと思っていたのですが、ちょっとモビリティーもなくなってしまって、パスのテンポもなくなってしまって、そういった意味では、FC東京さんの背後を取りきれなかったということがあると思います。
 そこに対して、我々がリスクを冒して、より出ていくからこそ今度はFC東京さんのカウンターを受けるという、それはまさに勝っているチームのセオリーで、負けているチームからすればそれはやらせてはいけないのですけれども、ハーフタイムに選手たちに伝えたのは、「このまま0-1で推移していったときは、我々は多少リスクを負ったとしても出ていって構わない」ということです。基本的に、我々はリスクマネジメントの人数やバランスというものはチーム戦術としてあるのですけれども、「それを破って構わない」という話はしていたので、それを選択した選手の判断というものは、間違っていないと思います。
 では、なぜカウンターを受けたのかというと、先程も言ったように、やはりシュートで終われていない。そこに対する精度なのか、あるいは我々がリスクを冒して出ていったのであれば、確実に、逆に言えば数的優位を作らなければいけない状況なので、それをどうやって生かしていないのか、生かし切れなかったのか、そういったところが今日のゲームでは問題点としてあったと思います。
 局面での、「行ったり来たり」の部分で、FC東京さんの方が人数が多いとか、我々の方が人数が少ないということをフォーカスするよりは、我々が相手陣内でどういうことができたのか、そういったところに対して、あるいは前半に関して言えば、我々は自陣の守備で何ができなかったのか、そういったところの方が、問題点としては大きいのかな、という感じ、私の中ではしています。