2016 明治安田J1 2nd 第15節 ヴィッセル神戸
お疲れさまでした。本当に久しぶりにホームで勝利することができて、サポーターが喜んでいる姿を見ることができて、ホッとしています。
前回(前節・鳥栖戦)ではアウェイで久しぶりの勝利をつかむことができて、その後に三週間が空いたのですが、そこでも本当に、選手も気持ちを切らすことなく、本当に前向きにトレーニングをしてくれました。
神戸さんの(明治安田J1 2ndステージ)優勝がかかっている試合だとか、あるいは神戸さんに出場停止(の選手)がいるとか、そういった要素も当然ありますけれども、逆に言うとそういう要素は、神戸さんがまとまる一つの大きな力だと。それに勝つためには、もっとそれを上回る団結力と、跳ね返す力を持たなければいけないという話をして送りこんだのですけれども、難しい時間帯もありましたけれども、本当に全員が意思統一をして粘り強く戦ってくれたと思います。
ただし、残りのふたつ、決してこの勝利に満足することなくやり続けなければいけないですし、ひとつでも順位を上げる、あるいは勝ち点を積み上げる作業というのは、一切の妥協をせずに、やりつづけなければいけないので、また次のゲームだけにフォーカスして進んでいかなければいけないと思います。
■ ピンチらしいピンチもない完勝で、(明治安田J1 2nd第7節・)鹿島戦以来の完封でした。この三週間でどのような修正をしてきたのでしょうか。
まず、守備のやり方を変えたつもりはありませんし、ひとつ言えるのは、意識のところだと思います。割り切りというところで、(前節の)鳥栖戦でしっかり割り切りを表現できたのは、攻撃面で鳥栖さんの圧力を外すためにシンプルに長いボールを入れ込んでしまおうといったところでの、攻撃面での割り切りは表現できたゲームでした。
そこから三週間が経って今日のゲームを迎えるにあたって、自陣で守る時間というものは必ずあると。そこにおいては、数的同位あるいは不利な状況も必ずある、と。そういったところをまずは意識として割り切ること、当然優先順位としては前でボールを取りたいのですけれども、90分間それをやり続けることはできませんし、そうなったときに、ではこのかたちで守る、この場所で守ると、そういった意識を全員で持つことができたのが大きいことだと思います。
実際にそういうトレーニングもやりましたし、誰が出てもそういう意思統一ができた守備のオーガナイズが表現できたのではないかと思います。
■ ハモン・ロペス選手が今日のゴールでシーズン10得点に乗せました。監督から見て、今年のハモン選手が良くなった部分はどこでしょうか。
もっと取れたでしょう、振り返れば(笑)。やはり彼のシュートのパンチ力だとか、シュートレンジの広さだとか、間違いなくそれは彼の大きな武器でしょうし、そういったものは存分に発揮してほしいというようなことは、常日頃から伝えています。実際にトレーニングも、彼は居残りでやってもいるので。
ただし、やはりシュートを打ちたい、打つということは、優先順位の一番としてあって然るべきなのですけれども、ともすれば周りのフリーの選手を使えないとか、そういったものも今シーズンは散見されていたと思います。
そういったものをしっかり整理することで、周りを使えば、逆に言うと、周りからボールが返ってくると。そういうような信頼関係を築けていることが、ひとつ大きな成果なのかなと思います。それはハモン(・ロペス)だけに限らず、やはり周りとの相関関係があると思いますので、そういったものの日々の積み重ねが大きいのかなと思います。
(大岩)一貴の(チーム)3点目でしょうか、ハモンがクロスを上げたと思いますけれども、やはりあそこに供給できるということがハモンの一つの強さでもありますし、実際にクロスのトレーニングをああいうかたちで何回もやってきて、全体で表現できたというものも、チームの成長だと思いますので、もちろんハモンには10点で満足してほしくありませんし、ただしハモンに関して言えることは、周りとの関係で、自分も楽になる、あるいは周りも助けられると感じられることが、ひとつの大きな成長なのかなと思います。
■ この(3週間のリーグ戦中断)期間でけが人が続々と戻ってきましたが、そのことによって新たな競争ができた効果は、ピッチ上でどのように感じられましたか。
まずは、18人を選ぶ作業がこんなに難しかったかなというのが、自分の中で一番の大きな悩みというか、嬉しい悩みではありました。
仰ったように、この三週間でけが人が戻ってきて、全員が同じようにタフなトレーニングをしてくれて、尚更競争が激しくなったと感じていましたけれども、やはり出ている選手も、もしかしたらうまいプレーが続かなければ交代してしまう、というような良い意味での危機感も当然持っていたと思いますし、そのような意識というものが、如実にプレーに表れていたと思います。
あとは、神戸さんに退場があったり、点差が開いたり、というような状況もあったことは間違いないのですけれども、やはりそれでも途中から出た(金久保)順だったり、ゾノ(金園)であったり、(西村)拓真であったり、という選手が、やはり「俺達もいるぞ」というようなプレーを見せてくれたと思うんですよね。それは間違いなく、次のゲームに向けての大きなエネルギーになると思いますし、それはチームを成長させる大きな力だと思いますし、そういった意味ではようやく、大勢の人数でトレーニングができて、活気を持ってやることができて、このチームが一歩一歩前に進んでいるな、というものが実感できました。