2016 明治安田J1 1st 第17節 ジュビロ磐田
お疲れさまです。まずは遠い磐田の地まで多くのサポーターに集まっていただいたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
仙台の歴史を振り返ると、ここヤマハスタジアムというのは非常に特別な場所で、2008年に入れ替え戦をここで戦って、悔し涙を流した場所でした。そのゲームに実際に出場した選手も我々の中には非常に少なくなって、スタッフの中にも数が少なくなっている状況ではあったのですが、今日の試合前のミーティングで選手たちに話したのは「クラブの歴史を、少し各々が理解しても良いのではないか」と。おそらく、あの日に悔し涙をこのヤマハスタジアムで流したサポーターがたくさんいて、今日、今の我々が新しい歴史を作ろうとしている中で、今日はぜひサポーターに歓喜を届けて、喜んで帰ってもらおうという話をしてのぞみました。
結果的にまた、非常に悔しい思いをさせてしまったので、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、そういった思いを一人ひとりが90分の中に落とせたかどうか、というものは、もう一度しっかりと振り返りたいと思っています。
やはり今、いろいろ攻撃の幅を広げたり、相手のゴールマウスを陥れるような動きができたり、という成長は見られるのですが、そもそも戦うところでひとつでも欠くものがあれば、やはりこの結果にもなりますし、そういったところは、もっともっと突き詰めなければいけないなと、私個人も反省点がありました。
そうは言っても、様々なかたちでチャンスも作れましたから、決して攻撃において多く悲観することもないですし、強いて言えば、甲府戦に比べると少し相手のボックスの中に入る人数とプレーが少なかったという感じがしています。
結果的に相手にボールを取られる位置、あるいは磐田さんのディフェンダーが跳ね返す位置が、後半のゲームは高くて、我々にとっては低くて、それが結果的には相手のアダイウトン選手におさまってしまうというような状況を招いたのかなという感じがしています。そうした状況で、しっかり蓋をしていなければいけないので、もちろんそこへの対応というものもしっかりトレーニングをしなければいけないのですけれども、しっかり失い方なども含めて、リスクマネジメントを徹底できれば、もう一度セカンドステージから我々は上を目指していけるのではないかと思っています。
決して下を向くのではなく、一週間ありませんけれども、セカンドステージの開幕に向けて、また全員でパワーを出していきたいと思います。
■ 守備面ですが、結果的に3失点がカウンターからということで、カウンターへの準備についての見解を教えてください。
今、結構言ったのですが、まず我々のボールの失い方は、重複するのですが、相手のボックスにいかにして入るのかということを今はトレーニングしていて、若干その動き出しの量とかける人数というものは少し甲府戦と比べると少ないのではないかと思います。
失っている位置、あるいははじき返された位置が、おそらく5メートルもないかもしれませんが、でもその5メートルが意外と肝で、そこに対して我々がセカンドボールを拾えるのか、あるいは我々がセカンドボールを拾おうとする頭を越されて、アダイウトン選手におさまってしまうのか、そこの差が前半はちょっと多かったのかな、という感じはしています。
先程も申し上げたとおり、数的状況で、手厚くして守っている局面が多かったですから、そこへの対応というものは、もっともっと研ぎ澄ませなければいけないと思っています。
■ 今日は野沢選手と富田選手という攻守の要が欠けました。その影響は感じましたか。
「感じたくない」と言いたいところですが、結果が結果ですから、やはり彼らの力は大きかったかなと思います。先程の話の部分とも重なるのですが、セカンドボールを拾うポジショニングなどは富田は非常に優れていますし、実際に彼が刈り取ったボールというものはこれまでもたくさんありましたので、そういったところで多少のずれというものは否めなかったのかなという気はしています。
最前線のおさまりとか、あるいはサイドのおさまりというものも、野沢がいるいないで少し違う局面を作り出してしまったのかなという気はしています。そうは言っても、藤村にしてもボールを動かすという所では彼の良さというものも何シーンか出せたと思いますし、決してそこで下を向くことなく、我々は今は各々のストロングを総動員して高みを目指しているところですから、個々人の欠点ばかりに目を向けるのではなくて、「もっとストロングで貢献できたね」とか、そういったところを突き詰めていければ、チームとしてもっと成長できると思います。
■ ファーストステージの総括をお願いします。
勝点でいっても、もっともっと積み上げたかったな、というものが正直言ってあります。開幕戦こそアウェイで良いスタートを切れたのですが、途中で連敗も喫しましたし、そのあたりも一つひとつ、振り返ればもったいない勝点の失い方というものはあったと思います。
そうは言っても、継続してきた中で勝利というものを積み重ねながら、自分達がやろうとしていることへの手応えというものを、同時に感じているので、そういったものに対しては、これからももっともっと、ブラッシュアップしていきたいと思っていますし、そうすることで我々はもっと勝利に近づけるとも思っています。何らやることを変えることはありませんし、今日の一敗で凹むつもりもありませんし、セカンドステージが始まるといっても一週間しかないので、何か新しいことをやる時間もないのですが、今日の悔しさは静岡に全部置いていって、また週明けから仙台で良いスタートを切れるように切り替えたいと思います。