2015 明治安田J1 2nd 第17節 川崎フロンターレ
<総括>
お疲れさまでした。リーグの最終戦、アウェイの川崎、等々力の地まで、2500人を越える仙台サポーターが集まってくれたという話を聞いていました。
選手には、我々にはまだ天皇杯があるのですけれども、「リーグの締めということで、それだけ多く集まってくれたサポーターに、なんとしても勝点3を届けよう」と。あとは、2011年の(東日本大)震災があった後に、リーグ再開をした場所が川崎の等々力で、我々のチームはメンバーも多く変わっていますけれども、「復興のシンボルとして戦うという決意をしっかり、またこの等々力の地で示そう」というような意気込みを持って今日は戦いました。
勝点3を取れずに非常に悔しいですし、サポーターには今年は本当に残念な思いばかりさせてしまって申し訳なく思っています。
ただ、2015年のチームはまだまだ天皇杯が(来年の)元日まで続くという思いで我々は戦い続けますので、ぜひその背中を引き続き後押ししてくれればと思います。
■無得点だった攻撃陣の評価をお願いします。
無得点だったのは、攻撃陣のみということではないので、それはチーム全体の評価だと思います。
天皇杯(4回戦)の松本戦、それからその前の(セカンドステージ第16節)鳥栖戦というところで、我々がいかにボールを保持して、相手を攻撃するか、またそれでいかにしてゲームをコントロールするのかということを表現できつつありました。そういった狙いを、攻撃力のある川崎さんに対して、我々も思いきってぶつけてみようというようなトライが、このゲームの中にはありました。
前半はボールを奪った先に、いいカウンターアタックの出方というところまではあったのですけれども、やはりそこにおいて、ひとつパスミスが出てしまうとかいったところは非常にもったいなかったなという感じはしています。
やはりあれは確実につなげる、あるいはやり直すという作業ができれば、もっともっと我々がボールを保持する時間も長くできたでしょうし、それでゲームを長くコントロールすることもできたと思っています。
あとは、攻撃全体において、鳥栖戦、あるいは松本戦において我々がやれていたのは、広がりを持った攻撃です。そこでしっかりサイドから攻めることができたのですけれども、今日は川崎さんの攻撃を我々の選手がまねしてしまったのかわからないのですが、ちょっと中央に寄りすぎてしまったのかなというのが非常にもったいなかったです。
トレーニングもずっとしてきていますし、狙いもしっかり持てていますし、我々がこの二戦でやれていたこと、そのサイドアタックというものを、今日の川崎さんに対してもやれれば、もっともっと数多くのチャンスを作り出せたと思いますし、無得点で終わることはなかったのかなというふうには思っています。
■年間順位が14位でした。ファーストステージは7位でしたが、セカンドステージで失速してしまったことが大きな原因だったと思われますが、振り返ってみていかがでしょうか。
もちろん結果には満足していません。ファーストステージも本当に苦しい時期を乗り越えて、最後にしっかり盛り返すことができました。その勢いを持ってセカンドステージにのぞめましたし、セカンドステージの最初の数試合でなかなか勝ち星がなかったときでも、内容そのものは悲観するものではなかったと思っています。
そこで私が決断したのは、昨年とは違って、もちろんもっとラインを下げて守ることをすれば失点も減ったでしょうし、確実に勝ち点を稼ぐことができたとは思っています。
しかしながら我々は、今年はそういうことはしませんでした。なぜなら、それをすれば時計の針を戻すだけですし、我々のこのクラブがもっともっと高みを目指すためには、もっと新しいものにチャレンジしなければいけない、トライしなければいけないと私は思っています。
それを思えば、今日も押しこまれる時間は長かったのですけれども、一歩前に踏み出してボールを奪おうという姿勢は見せましたし、実際にそれをすることもできました。それをもっともっと研ぎ澄ませて、より高い位置でボールを奪うだとか、あるいは守備をする時間を短くするとか、そういったかたちで、我々がこれから、クラブとしてもチームとしても、前進していくものを示さなければいけなかいのかなと思います。
■三人の選手交代が攻撃のポジションで、早めの交代でした。押されていた時間で、落ち着かせるよりも、押し返す、ということをやり抜くためのものだったのでしょうか。
一枚目の、金園から山本にするところでは、攻撃のパワーというよりは守備におけるバランスというものも考慮しました。金園がちょっと前半に足を痛めていたしぐさもありましたし、松本戦でようやく復帰してきたというものもありましたし、少し早めのタイミングでの投入で、山本の活動量を攻守で生かすというような狙いがありました。
その後の、ウイルソンの投入、あるいは野沢の投入といったところは、あれが0-0で推移していても、あのような選手を投入して、我々の攻撃の時間を増やす、あるいは溜めを作るという狙いがありました。残念ながら、うまく機能したかといえば、結果が出ていませんので何とも言えませんけれども、そういった狙いを持って、重心はどちらかというと前に、という残りの二枚の交代でした。
■守備陣に関して、村上選手の退団が発表されて、一方で若手が複数人加入することになりました。今後の守備陣について監督が今考えてくることを、教えてください。
守備陣に限らず、やはり我々のクラブが若い選手を今、どんどん加入させていることにはクラブとしての考えがいろいろあります。
もちろん、ベテランの力はまだまだ必要ですし、村上も本当に今年一年間、けがが多かったのが非常に残念ですけれども、プレーヤーとして非常に質の高いものをしっかり示してくれました。そういった彼らの姿勢というものを、若い選手がいかにしてものにしていくか、やはり厳しい戦いを何度も何度も乗り越えることで身につくものもありますし、そういったものをこれからもしっかり生かしてほしいと思っています。
しかしながら、我々のクラブチームにあるのは、健全な競争ですので、若い選手に「はい、どうぞ」とポジションを渡すつもりは私にはありません。やはりこれから、ベテランと呼ばれる選手たちと若手と呼ばれる選手たちがしっかりとした競争の中でポジションを勝ち取って、それでスタメンの11人、あるいはメンバーを含めた18人が決まるというようなものにしていきたいと思っています。
あとは、守備陣に限らず、組織的にしっかりと守る、あるいは攻めるというものが我々のコンセプトにはありますので、そういったベガルタの「イズム」というものは、新しく入ってきた選手にしっかり落としこみたいと思っています。